Research Themes

2022年3月に、笹瀬教授の定年退職に伴い、笹瀬研究室の教育研究活動は、終了しました。2020年から2022年の3年間では、主に

Security & PrivacyIoT : Internet of Things

に関する研究を行っていましたので、その研究テーマの説明をいたします.

Security & Privacy

セキュリティ&プライバシは,Internet of Things (IoT) が実現されていく上でなくてはならないものとなりました.セキュリティ&プライバシなんて難しそう!って思われる方も多いと思います.しかし,ひとくちにセキュリティといってもとっても分野が広いのです.つまり分野をしっかり見極めれば自分達学生でも十分成果を挙げることができます.


IoT: Internet of Things

近年の端末の小型化,無線通信機能の向上, クラウドサービスの浸透等により,いつでもどこでもネットワークにアクセスし,サービスを享受できる社会が到来しようとしています.中でもあらゆるモノがインターネットにつながる IoT (Internet of Things) という概念が近年注目を浴びています. IoTでは,あらゆるモノがインフラ的ネットワークにアクセスできることはもちろん,モノ同士が即席でネットワークを作ることも自由自在です.このIoTに関わるネットワークとして,

に焦点を当て、日夜研究に励んでいました。

無線給電センサネットワークに関する研究


小型のセンサ同士がネットワークを組み,シンクと呼ばれる管理端末に収集したデータを送信する無線センサネットワークというものが考えられています.例えば,橋梁における強度モニタリング,森林における火災検知等が具体的なアプリケーションとして提案されています.センサの電力はバッテリ駆動のため限られており,いかにしてそれぞれのセンサの寿命を延ばし,ネットワーク全体の寿命を延ばすかが重要とされています.私たちの研究室ではこの無線センサネットワークに無線充電技術を取り入れて,センサへ電力を与えることで半永久的なネットワークの維持を達成するための方式を研究していました.

RFIDによる安全な在庫確認およびプライバシ保護

商品にRFIDタグと呼ばれる小型のタグを付加し,RFIDリーダから無線で内部のデータを読み取ることにより,商品が店舗や倉庫内に存在するかを高速に確認したり,高級ブランド品の真贋判定に用いるなど,多岐に渡るアプリケーションで注目されています.ところが任意のタグはリーダによってデータを無意識のうちに読み取られるため,プライバシの問題が指摘されています.また在庫の存在判定においても,RFIDリーダを扱う人が盗難を行っていた場合,どうしたらよいでしょうか?笹瀬研ではRFIDに関するさまざまな問題に取り組んでいました.

無線を用いた安全で効率的なソフトウェア更新

 

IoTでは, バグの修正などを目的としたデバイスのソフトウェアの更新が考えられますが, 多数のデバイスをすべて回収し有線で更新を行うことは, 現実的ではありません. そこで, 無線を用いたソフトウェア更新が考えられます. しかし, 無線を用いたソフトウェア更新には, 偽のファームウェアの配布が容易である, 大容量のファイルの配布が困難であるといった問題が存在します.  笹瀬研では、 配布するソフトウェアのサイズの削減と偽装の防止を可能とする無線を用いたソフトウェア更新の実現を目指し, 研究を推進していました.

準同型暗号を用いた高速かつセキュアな計算手法



近年、生体情報を用いた認証システムや位置情報を用いたサービスなど個人のプライバシーに関わる情報を用いたシステムやサービスが普及しています.これらのシステムやサービスは便利な一方で, 個人のプライバシーに関わる情報を用いるため, 情報の秘匿が必要となります。そのため暗号化を行う必要がありますが、暗号化したまま計算を行う必要があるため通常の暗号を用いることはできません. そこで, 暗号化したまま計算が可能である準同型暗号を用いて暗号化する必要があります. しかしながら準同型暗号を用いることよって計算時間が増大する問題や, 暗号化されているため意図しないデータが入っていても検知できない場合があります. 笹瀬研究室では, このような問題を解決するために研究を行っていまsした.

特定のリンクを狙ったDDoS攻撃の検知



インターネットの特定のリンクを狙って攻撃するDoS攻撃が提案されています. この攻撃はリンクを遮断することで標的のネットワークを孤立させる事が可能で,  標的のネットワークに対して攻撃フローを送る必要が無いという特徴があります. この攻撃で金融や電力伝送に関連するシステムが狙われた場合、ネットワークが遮断される時間が短かったとしても甚大な被害が予想されます. そこで笹瀬研では, 攻撃者が狙うリンクを選定している段階で攻撃の予兆を検知することで攻撃の発生そのものを阻止出来ないかと研究していました 

ソーシャルネットワークにおける不正アカウント検知


Facebook等のソーシャルネットワークでは, 一般ユーザにスパム等を送信しようとする不正アカウントが一定数存在しています. システムを運営する側は, このようなアカウントを見つけ出し, 対策を打つ必要がありますが, アカウントの数は膨大であるため, ひとつづつ見つけていたのでは時間がかかり過ぎてしまいます. そこで笹瀬研では, このような不正アカウントが形成する友人関係の特徴に着目し, 効率よく不正アカウントを検出する手法について研究していました.